医療法人社団優希会 すぎはらこどもクリニック

西東京市西原町の小児科 医療法人社団優希会 すぎはらこどもクリニック

〒188-0004 東京都西東京市西原町5-1-17
TEL 042-451-8680
※上記QRコードを読み取ると携帯サイトを閲覧することが出来ます。
トップページ»  アレルギー性疾患

アレルギー性疾患

気管支喘息

気管支が狭くなって、呼吸が苦しくなる発作を繰り返す病気で、人口の3%程度に見られます。
アレルギー、物理的な刺激、感染症などにより気道に慢性的な炎症が起こることが病気の本質と考えられています。

 

症状

呼吸がヒューヒュー、ゼーゼーして苦しくなったり、激しく咳込んだりする発作を繰り返します。
軽症の場合には、寝るときと起きたときだけ咳が出る、風邪を引いたときに少しゼーゼーする、風邪を引くと咳が長引きやすいという程度の事もあります。重症の発作では呼吸困難がひどく、チアノーゼ、意識障害、呼吸停止など生命にかかわることがあります。


原因

気管支喘息の本態は気道の慢性的な炎症と考えられています。その炎症を引き起こす最大の原因はアレルギーです。
アレルギーを起こしやすい体質の人がアレルゲンに繰り返し接触すると発症します。代表的なアレルゲンはダニ、ホコリ、カビ、動物の毛やフケ、花粉です。感染症、季節や天候の変化、運動、タバコの煙、花火、ストレスなども誘因となることがあります。
いくつかの因子が重なって発作が起こります。


検査

血液検査でIgEという抗体を測定することにより、アレルギーの有無や、何に対するアレルギーがあるかを調べることが出来ます。血液中の好酸球数の増加もアレルギーの有無の参考になります。症状に応じて胸部のX線写真や呼吸機能検査も必要なことがあります。自己管理の方法として、ピークフローメーターで呼気の速度を自分で測定し、薬の量を調節する方法もあります。


日常の管理

喘息発作が起きにくい生活環境をつくるために、次のことに気をつけましょう。

  • 布団や枕にはカバーを掛けて頻繁に掃除機をかけたり、洗うと良いでしょう。
  • じゅうたんやぬいぐるみはダニを増やす原因になるので避けましょう。
  • 犬、猫、鳥などのペットはアレルゲンを増やす原因となります。既に飼っている場合は出来るだけ外で飼育しましょう。
  • タバコの煙は喘息発作を誘発します。家族の方はタバコを控えましょう。線香の煙や花火も発作を引き起こすことがあります。
  • 水泳、体操など身体の訓練は発作予防に有効です。

治療

喘息は症状が出てから治すのではなく、症状が出ないように予防することが大切です。
現在もっとも有効と考えられている予防法は、抗アレルギー剤の内服と吸入ステロイドです。
抗アレルギー剤(オノンやキプレスなど)は、長期的に飲むことで、発作が出ることを予防する優れたお薬で、当院の喘息治療の基本です。粉薬やチュアブル、カプセルなどの剤形があり、長期間内服しても副作用の少ないお薬です。
抗アレルギー剤の内服だけでは発作が押さえられない場合や年長の園児の場合は、吸入ステロイドを使います。乳幼児ではアンプルタイプを吸入器に入れて吸入し、やや年長になるとスプレータイプを、スペーサーを用いて吸入します。小学生以上ではパウダータイプの吸入が簡単です。吸入ステロイドは肺などの局所に効くため、全身投与ほどの副作用はありません。
発作が出たときにはさらに気管支拡張剤(β刺激薬やテオドール)や咳止め、去痰剤などを併用します。最近は皮膚から吸収されるテープの気管支拡張剤もよく使われています。
以前よく使われていたテオドールは、痙攣や嘔吐などの副作用が多いことや、発作の予防効果が弱いため当院ではできるだけ短期間の使用にとどめています。また、抗アレルギー剤や吸入ステロイドを続けて発作を予防できれば、テオドールのような副作用の強いお薬もほとんど使わずにすんでいます。
また、インタールと気管支拡張剤の吸入が効果のある場合は、吸入器を貸し出しして自宅吸入をします。当院では貸し出し用の携帯型吸入器を10台以上用意しています。それでも発作がおさえられない場合は、点滴や入院が必要になります。


将来の見通し

小児期に発症した気管支喘息の約70%は思春期までに発作が起きなくなるといわれています。発作を繰り返していると肺の状態が悪くなり治りにくいので、発作が起きない状態を出来るだけ長く維持することが大切です。

 

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎はかゆみを伴う湿疹が全身に出て、長期間繰り返す病気です。
乾燥肌、刺激に反応しやすい皮膚、かゆみを感じやすい性質、心理的ストレス、外部からの物理的な刺激など、いろいろな要素が関係していて、複数の原因が重なると症状が出てくると考えられます。

 

症状

皮膚が乾燥してカサカサしたり、赤くなったり、時には汁が出てジクジクしたりします。痒いために引っかいて出血したり、かさぶたになることもあります。アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚は、湿疹のないところも全体に乾燥していて光沢がなく、鳥肌のように見えるのが特徴です。湿疹のできやすい部位は、前額、眼囲、口囲、口唇、耳介周囲、頚部、四肢関節部、体幹などで、年齢によって次のような特徴があります。
乳児期:頭、顔に始まりしばしば体幹、四肢に下降してきます。
幼小児期:頚部、四肢屈曲部の病変が中心です。
思春期・成人期:上半身(顔、頚、胸、背)に皮疹が強い傾向があります。

皮膚の合併症として伝染性軟属腫(みずいぼ)、単純ヘルペスウィルス感染症、伝染性膿痂疹(とびひ)などを起こしやすいといえます。稀な眼の合併症として白内障や網膜剥離が起こることがあります。


原因

アトピー性皮膚炎の本当の原因はまだよくわかっていません。ただ、80~90%の患者さんはいろいろなアレルゲン(アレルギーを起こす原因となるもの)に対する抗体が陽性となり、アレルギーが強く関わっていると考えられています。アレルゲンとして頻度が高いものとして、食べ物では卵、牛乳、大豆、米、小麦、皮膚に触れるものではダニ、ホコリ、カビ、動物の毛などがあげられます。
よだれ、汗、チクチクする衣類、ざらざらしたじゅうたんなどによる直接の刺激も湿疹を悪化させるきっかけになります。


検査

血液中のIgE(免疫グロブリンE)という抗体を測ることにより、アレルギーの程度と種類を調べることが出来ます。ただ、湿疹がある患者さんすべてについて検査が必要なわけではありません。重症で通常の治療では治りが悪い時、抗アレルギー剤を長期間投与するかどうか判断する必要がある時、アレルゲンがわかれば環境改善ができそうな時などに検査を考えるとよいでしょう。


日常生活での注意事項
  • 食事
    食べ物が原因の時には食事制限が必要なこともありますが、発育のためにはバランスのとれた食事が必要です。むやみに食べ物を制限して発育や発達が遅れてしまっては大変です。食事制限についてはよく医師にご相談ください。
  • 掻かない
    引っかくことが湿疹を悪化させる一番の要因です。爪はいつも短く切って、痒いときは冷やしたり、どうしても掻いてしまうときは長袖や長ズボンに着替えたりなど掻かないような工夫をしてみましょう。寝るときだけ手袋をつけたり、かゆみ止めを飲んだりする方法もあります。
  • スキンケア
    よごれや垢がついていると肌を刺激して湿疹を悪化させます。毎日入浴し、石鹸を使ってよごれをよく落としてください。肌に合う石鹸を選ぶことも大切です。洗うときに手ぬぐいでこすると肌を痛めますので手で泡立てて洗うのがよいでしょう。皮膚の温度が上がるとかゆみが強まりますので、熱すぎるお風呂は避け、お風呂上りにぬるめのシャワーで皮膚温を下げておくのも良いでしょう。
    肌の乾燥を防ぐために入浴後に保湿剤を塗ることも大切です。保湿剤には皮膚の状態や季節によっていろいろな種類がありますので医師にご相談ください。入浴剤の一部は痒みを悪化させるので気をつけましょう。
  • 衣類
    皮膚を刺激する素材を避け、吸湿性、通気性のよいものを選んでください。洗剤、仕上げ剤の種類にも気を配りましょう。洗濯した後はよくすすぐことが大切です。

治療

通常はまず外用剤(塗り薬)で治療します。外用剤の種類には、ステロイド剤、非ステロイド剤、免疫抑制剤、保湿剤などがあります。剤形としては軟膏、クリーム、ローションなどがあり、塗る部位や湿疹の様子によって使い分けます。
外用剤だけでは良くならない場合には、原因となるアレルギーを抑えたり、かゆみを抑えるために、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤などの飲み薬を併用することがあります。


ステロイドについて

ステロイド(副腎皮質ホルモン)の塗り薬はアトピー性皮膚炎の湿疹によく効くのですが、長期間使い続けると副作用が問題になることがあります。ステロイドの害がよくマスコミでとりあげられますが、ステロイドの飲み薬の副作用と混同して大げさに伝えられていることが多いようです。例えば、骨がもろくなったり、白内障や緑内障が起きたり、肥満や発育障害が起きたり、免疫が低下して感染症に罹りやすくなったり、といった重大な副作用は塗り薬では起きません。ただし皮膚の薄い顔などに長期間ステロイドを塗ると、毛細血管が浮き出したようになることがあります。ステロイドの害を恐れて使わないために症状が悪化してしまう方が問題です。どんな薬についても同じことが言えますが、安全性と有効性をよく考えて、必要なときには必要な量を使うのがよいでしょう。
薬の効果と副作用については、よく医師とご相談ください。


経過

アトピー性皮膚炎は小さい子供の時期に始まることが多く、80%が1歳以下で、90%以上が5歳以下で発症します。しかし小児期のアトピー性皮膚炎の75%以上は20歳頃までに軽快します。アトピー性皮膚炎を治すための決定的な治療法は今のところありませんが、悪化させる要因を一つ一つ解決しながら根気よく病気と付き合っていくという気持ちが大切です。
決定的な治療法がないために各種の民間療法が宣伝されているようですが、多くは商売を目的としたいかがわしいものです。また誰か他の人に効いた方法が自分にも効くとは限りませんので、変な治療法に惑わされないように気をつけてください。